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■special 応援メッセージ

2006.4.20 佐々部 清

<巌流焼と私>

昭和33年に下関で生まれ、18年間、高校を卒業するまでこの街で育った私にとって、電柱に貼り付けられた巌流焼と書かれた宣伝看板は当たり前のものでした。

それが、02年夏に自分にとっての第2作目『チルソクの夏』のロケハンに来たときに美術監督が車の中からその看板を見て、「監督、巌流焼ってどんな焼き物?萩焼と違うの?」なんて質問してきました。僕はホントを言えばそれまで食べたことはなかったのですが、それでもドラ焼き風のその和菓子だけは知っていたので説明しました。そうすると美術監督は「うん、これだな。下関は…」それだけ言いました。そして、撮影時にはいつの間にか映画用の看板を本物そっくりに作ってきて、特に目立つ場所の電柱に貼り付けたのです。撮影時には僕の視線は俳優たちに向いているのですが、東京に戻ってラッシュ・フィルムを観ると映画のあちらこちらに<巌流焼>の看板が映っています。驚いた僕は、プロデューサーに巌流本舗さんに挨拶だけはするように指示しました。それが僕と<巌流焼>との正式な出会いです。

社長さんは僕と同じ豊浦高の先輩で、さらに大学も同じ明治大学の同窓でした。さらに『チルソクの夏』を大いに気に入ってくださり、それ以来ずっと僕の撮影現場に<巌流焼>の差し入れをして貰っています。

ご存知のように映画の撮影現場はかなりの重労働です。ことに美術や照明などのパートは過酷な肉体労働です。そんなとき、甘い和菓子は大切なエネルギー源になります。僕の現場では、<巌流焼>の心地よい甘さはスタッフ達にとって大人気です。いろんな差し入れを頂きますが、<巌流焼>だけはアッという間に無くなってしまいます。この所、僕は知人の現場の差し入れにも<巌流焼>を使わせて頂いてます。その人気は自分の現場で実証済みだからです。また、下関という街も少しだけ意識して貰えます。

先日も山田洋次監督作品『武士の一分』の撮影現場に差し入れさせて貰いました。山田洋次監督も主演の木村拓哉さんも美味しそうに食べていました。いつの日か映画の撮影現場の差し入れと言えば<巌流焼>になるかも知れませんね(笑)。

佐々部清
【監督・演出作品】
'02 映画 『陽はまた昇る』
'03 映画 『チルソクの夏』
'04 映画 『半落ち』
'05 WOWOW ドラマ『心の砕ける音〜運命の女〜』
'05 映画『四日間の奇蹟』
'05 映画『カーテンコール』
'06 映画『出口のない海』
'07 映画『夕凪の街 桜の国』
'08 映画『三本木農業高校、馬術部』
'08 テレビ朝日 スペシャルドラマ『告知せず』
'08 舞台『黒部の太陽』
'11 映画『日輪の遺産』
'11 映画『ツレがうつになりまして。』


【受賞暦】
'02「陽はまた昇る」で日本アカデミー賞・優秀作品賞受賞
'02「陽はまた昇る」で日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞受賞
'03「チルソクの夏」で第44回 日本映画監督協会・新人賞受賞
'04「チルソクの夏」「半落ち」で第22回日本映画復興奨励賞
'04「半落ち」で日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞受賞
'04「チルソクの夏」「半落ち」で新藤兼人賞
'05「半落ち」で第28回 日本アカデミー賞 最優秀作品賞受賞
'05「半落ち」で第28回 日本アカデミー賞 優秀監督賞受賞
'05「半落ち」で第28回 日本アカデミー賞 優秀脚本賞受賞
'05「カーテンコール」で第15回日本映画批評家大賞・作品賞
佐々部清オフィシャルサイト
http://www.sasabe.net/

■special 応援メッセージ

「四日間の奇蹟」、「出口のない海」美術
福澤 勝広

映画の現場によく似合う。
佐々部映画の撮影現場で巌流焼によく出会う。
製作部の係がスタッフ、俳優用にと撮影現場から少し離した場所に設置したお茶やコーヒーがあるテーブルの上で、飴やお煎餅とともに巌流焼によく出会う。どなたかに差し入れしていただいたものだろうか?ありがたい。

今日も早朝から深夜にかけて体力勝負の撮影現場、ついつい手を伸ばし口に運ぶ。しっかりしてもちもちした歯ごたえ、とろける甘味、懐かしい味、疲れた自分に一番だ。コーヒーに合うんだよな。会話に笑顔がまじる。隣から各パートの若いスタッフ、女性スタッフたちが手にとって食べ始める。こいつらさっき弁当食べたばっかりなのに、別腹かよ?彼らは撮影現場への戻り際には、おのおのポケットにもう一個いれて行く「おいおい他のスタッフ、役者の分もとっておいてよ…..」。

俳優連中も撮影合間にうまそうにたべている。監督が笑顔で芝居に「OK!」を出したからか、幸せそうに頬張る。

私の仕事が一段落、もう一個巌流焼を、と行くといつの間にかもう無い。巌流焼は映画の現場によく似合う。

福澤勝広
【主な美術担当作品】
'99『鉄道員(ぽっぽや)』
'00『ISORA多重人格少女』
'01『ホタル』
'01『真夜中まで』
'02『およう』
'02『陽はまた昇る』
'02『烈火』
'02『宣戦布告』
'04『赤い月』
'05『渋谷物語』
'06『四日間の奇蹟』
'05『自由戀愛』
'06『出口のない海』2006年9月16日(土)
'07『エクステ』2007年2月 園 子温監督
【受賞暦】
'99「鉄道員(ぽっぽや)」で日本アカデミー賞優秀美術賞
'01「ホタル」で日本アカデミー賞優秀美術賞
'04「赤い月」で日本アカデミー賞優秀美術賞
'04「赤い月」で日本映画テレビ技術協会映像技術賞